看取りについてABOUT CARE OF LIFE

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看取りの動画MOVIE

聖ヨゼフの園の「看取り」をご理解していただくために、職員の実体験を元にした動画をつくりました。
生きること、死ぬということ、そしてご家族との最期のときの過ごし方について、私たちの想いが伝わればと思います。

看取りの歴史HISTORY

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黎明STARTUP PHASE

1946年冬のある寒い日、貧しい男女の高齢者3~4人がバラック住まいのシスター達を訪ねてきました。その様子は、誰もがやせ衰えて、ヨタヨタと杖にすがっていました。そして、恐る恐る「食べ物を下さい」と言って、貰った食べ物をその場で食べずに、大切に持ち帰る光景がありました。
そこで、シスターエミール院長がその方たちが何処に住んでいるのか訪ねると「幸の神(さいのかみ)の養老院」と答えました。早速、翌日2人のシスターが訪ねてみると、想像を絶する状況の中に20人位の高齢者が食べ物もなく、薬もない状態で、せんべい布団の中に寝ていた様子でした。シスターエミール院長は直ぐに市役所に行き、実情を話し「1日も早くかわいそうな状態を助けて下さい」と懇願しました。

1947年(昭和22年)1月13日八幡市(北九州市の前身)長自ら「幸の神にある養老施設 推楽寮の運営を引き受けて欲しい」と公式の依頼書を持ってバラックの修道院を訪ねて来られました。この養老施設 推楽寮は1932年(昭和7年)から八幡市民生委員助成によって運営されていたもので1946年(昭和21年)10月に生活保護法による養老院として認可を受けていたとの事。シスター達はすでに推楽寮を訪問したり、推楽寮の人が施療所に来たりしていたので知り合いになっていました。
1947年(昭和22年)4月1日 推楽寮は援助修道会に移管され、名称も聖ヨゼフ養老院と変更されました。そして、援助修道会は「St JOSEPH HOUSE」と言う名で30名定員の養老院を幸の神で始めました。これが《老人ホーム 聖ヨゼフの園》の出発点です。終戦直後であり、高齢者だけではなく、多くの《行き倒れ=行路病者》の方がヨゼフ養老院に運ばれてきました。エミール院長は嫌な顔ひとつせずに直ぐに引き受け、きれいにして受け入れたと記録にあります。

看取りCARE OF LIFE

すぐに、看取りは始まりました。記録には1947年(昭和22年)4月18日に初めての「看取り」が行われています。名前、生年月日が分からないまま看取られた方もいます。74年の歴史を経て、その看取った方は670名を超えます。
今ではなかなか許可の下りない納骨堂も、身寄りのない方のために当初から許可をいただくことができました。身寄りのない高齢者の方にとって、「永遠の棲家が準備されている」という安心感は、生活を豊かにし、また心を明るくしたことと思います。「ヨゼフで過ごした時が、一番幸せでした。」と言って永眠された方も多くおられます。
そして、人生の晩年の棲家として聖ヨゼフの園を選んで来られた方にとって、入所された時から「看取り」は始まっていると言えます。聖ヨゼフの園では、利用者様一人一人の尊厳を大切に考え、ご本人やご家族の意思を尊重して「その時の迎え方」を選択していただいています。

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看取りとの向き合い方HOW YOU CONFRONT MITORI

ご家族にとっては、身内の方がどんなに高齢であっても、「永遠の眠りにつくこと」を受け入れ、「看取り」に向き合う事は多くの悲しさや辛さを伴うことです。一方で、「看取り」としっかり向き合う事は、そこに至る「生」と向き合う事に他なりません。その「生きること」のために、出来ることを先延ばしにせず、可能な範囲でご家族との関わりを大切にしています。
施設入所されたことで、お互いの気持ちに余裕が生まれ、家族関係がよりスムーズにいくようになった方も少なくありません。「看取り」を迎えることにより、お互いがどれほどかけがえのない存在であったかを見直すことに繋がるのです。その時を迎え、それまで抱えていた家族間の確執が一気に解けて和解できた方もおられます。
「看取り」は、その方にとっては人生を豊かにする大切な時であり、ご家族にとっては愛情の強さや絆を深める貴重な時間であるとも言えます。

聖ヨゼフの園の看取りとはABOUT ST.JOSEPH’S MITORI

聖ヨゼフの園では、70年余りに亘って、身寄りのない方、一人で生活をすることが困難な高齢者の方々のために生活を整え、穏やかで心豊かな人生を過ごすことができるよう、寄り添ってきました。希望される方には園でご葬儀や納骨も行い、「その時」を迎えた後も丁寧な関わりを行っています。納骨された方の中には、その方のご兄弟やお子さんとご一緒の方もおられます。
世間では、「その時」を迎えることは「不幸なこと」というイメージが一般的にありますが、聖ヨゼフの園では多くの利用者様が、いずれは誰もが必ず迎えるものとして受け止めたうえで、その時期をどのように迎えるかという事を自然に意識されています。
利用者様の施設でのご葬儀においては、その都度、大勢の方が参列されます。共に生活をされた方のご葬儀に参列されることで、自分も「このようにみんなに見送ってもらいたい」と、多くの方が言われています。
これからも、利用者の皆様が「ここで生活できて幸せだった」と思っていただけるように、私たち職員は日々の何気ない関わりを大切にしていきます。そして、「人に尽くす」伝統の精神を活かし、利用者様、地域の方々また職員の安心と豊かさのために最善を尽くします。

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